言葉を覚える最大の原動力とは。
うちの息子は昨年アデノイド切除手術を受けて以来、月いちで都内の総合病院に通院しています。
昨日は、いつもの診察のついでに聴力検査を受けさせてもらいました。1歳8ヶ月ですが、まだまだ言葉が出ない息子。もともとの体質上、中耳炎になりやすく、耳への影響がちょっと気になる…と先生に相談すると「今日は空いてるから、受けていったら?」の一言。その場で検査を受けることに決まりました。
さて、1歳児の聴力検査。もちろん大人のようにイヤホンをつけて、何か聞こえたらボタンを押す、というようなことはしません。では、どうするのか。
検査室に入るとまず、子どもを抱っこして椅子に座るよう促されました。その後ろから検査技師さんがカスタネットやオモチャで音を出し、子どもの反応をみるところから検査がはじまります。
オモチャをクリアすると少し難易度アップ。超音波のような「ピー」や「フンワフンワ」という機械音が流れます。微かな音から、技師さんが徐々にデシベル数が上げていきます。子どもの機嫌にも左右されるので、100%正確には測れないものの、これでおおよその検討はつくのだそうです。
検査終了後。
「うちの息子、言葉がなかなか出ないんです」。技師さんに相談すると、家でできることをアドバイスしてくれました。
それは、こんなこと。
口真似ができるように、話しかけるときは、はっきりとした口で発音すること。
物の名前を教えるときは、すぐに実物を見せない。それが何を指すか、想像させる間を置く。たとえば「まんま(食事)できたよ」と言って即座にごはんを出すのではなく、食卓に一緒に移動する。
嬉しい!びっくりした!など、子どもが感動したときに、「嬉しかったね」などと気持ちを代弁してあげる。感動を共有できたことが、「お話ししたい!」という気持ちにつながる。
子どもが好きなものに関連付けて言葉を教える。たとえば、りんごは「赤い、丸い、甘い、おいしい」。その次はバナナ「黄色い、長い、…」と続けていくと、どんどん表現の幅が広がる。
技師さんの話を聞きながら、ハッとしたのです。
これって大人が言葉(外国語)を学ぶときと同じだ!って。
ハッキリした口で発音すること。
何度も出てくる単語の意味を想像しながら、辞書で答え合わせすると、意味が頭に残りやすいということ。
相手と心を通わせることができたという体験が、言葉を学ぶ原動力になること。
音楽でも映画でもスポーツでも、何でもいい。好きや興味関心のあることに関する言葉なら、すぐに覚えられるということ。
誰かに、これを、伝えたい!
心が動いたことを、相手と分かち合いたい!
その気持ちが、言葉を学ぶ最大の原動力なんだ。
意外な場面で、そんなことに気付かされたのでした。
子育てをしていると、こういう本質的なこととか、基本のキ、に立ち返る機会が多いなあ。