何をしたいかより、どうありたいか。
今週、会社に22歳の新入社員が入ってきました。
定期採用をしていない小さな会社なので、大学卒業したての社員をとるのは数年ぶりのこと。社員としても、ちょっと身が引き締まります。
30代にもなると、22歳がずいぶん遠く感じられます。緊張した面持ちで目の前にいる新入社員が、ちょうど10年前の自分と重なりました。
10年前、22歳だった私は、大学卒業を間近に控え、就活のことで頭がいっぱい。やりたいことが明確にあるわけではない。だったら新卒採用という一生に一度しかないチャンスで、とりあえず安定した大企業を目指そう。ぼんやりと、そんなふうに考えていました。悩んでいたというわりに、ちっとも自分の頭で考えていない。振り返るともうほんとに恥ずかしいです…。
そんな22歳の私へ。
社会人を10年近くやってきた私から、「何をしたいか、じゃなくて、『どうありたいか』を考えなさい」って伝えたい。今日はそんなことについて書きたいと思います。
何をしたいかなんて、わからなくて普通
小さい頃から「将来の夢は?」とか聞かれていると、一言で答えられる何かがないといけないんじゃないか、という気がしてしまう…。これは私だけじゃないと思います。でも、20代でそれが明確にある人ってどれぐらいいるんだろう?明確な夢がある人でさえ、時を経てそれが変わっていくことも十分あり得る。だったら、「何になりたいか」より「どうありたいか」を考えるべきだと思うのです。
そして、「どうありたいか」を実現させるのに大切なのが、「どんな人と働くか」です。表情や話し方、仕事に対する姿勢。毎日を過ごす職場で、それらは伝染していくからです。いくら一人で頑張ろうって思っていたって、周りの人がみんな仕事に真剣じゃなかったり、あきらめモードだったりしたら?大抵の人は流されてしまうのではないでしょうか。
つまるところ、一緒にいる人、環境が自分をつくっていくのです。
なぜ今そう感じるのか?
ワーキングマザーになったから、です。
今の私の生活は、朝、夫とわずかに会話を交わし、日中は会社、夕方からは一歳児と二人きり、というもの。夫は夜遅くに帰ってくるのであまりゆっくり話せません。こういう毎日を過ごしていると、日中のテンションに、一日がけっこう大きく左右されてしまうのですよね。アフターファイブに友だちと話して発散、ということもできないのですから。
でもそれがかえって良いのかもしれません。なぜなら、今の私は「どうありたいか」「そのためにどうすれば良いか」を、これまでにないぐらい考えて、試行錯誤しているから。
これって本当は就活のときにも向き合うべき問いだったんだと、今にして感じています。いや、本当はもっと前から。そして、これからもずっと。
22歳の自分に何か一つ伝えるとしたら、これだな。久々の新入社員の登場に、そんなことを考え、少ししゃんとした気分になったのでした。