英語の学び方にも、アップデートが必要だ。「同時通訳者のカバンの中」を読んで。
先日、こちらの本を読みました。
同時通訳者のカバンの中 ツールを使いこなせば英語力3割アップ!
- 作者: 関谷英里子,高田真弓
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2018/04/29
- メディア: 単行本
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著者は、NHKラジオ「入門ビジネス英語」元講師であり同時通訳者の、関谷英里子さん。
2013年に出た姉妹本「同時通訳者の頭の中」を読んで以来のファンとしては、今回はどんな内容なのか…?!出版前から注目していました。
ただ、英語学習法については前作にも十分詳しく書いてあったので、内容も多少は重複してしまうのかな…?似た内容だったら買う必要ないかな…?とも思っていました。
ですが、書店で手に取ってみたところ、思わずメモしたくなるような、新鮮な情報がいっぱい。即、購入を決めました。
独学で英語を勉強しているけれどなかなか続かない、自分に合った学習法が見つからない、という人に特におすすめできる本です。
内容について
「カバンの中」というタイトルではありますが、内容としては、関谷さんが学生時代、会社員時代、通訳者ビギナー時代、そして今行っている勉強法の紹介。読者が取り入れるなら具体的にこんな方法があるよ、というのをかなり具体的に提案されています。
英語の楽しみ方を知ることができる
たとえば関谷さんが学生時代に行って効果的だったという、映画のディクテーション。今ならスクリプトも簡単に手に入るネットドラマが活用できる、と書かれています。本の中には関谷さんおすすめの番組が、トーク番組からドラマまで幅広く紹介されています。
なかでも、トーク番組の司会者の話し方から、会話の盛り上げ方を学ぶ、という話が印象的でした。
例に挙げていたのは、ネットフリックスで配信中の「My Next Guest Needs No Introduction」。数十年続いた人気トーク番組を退職したデビッド・レターマンが司会を務める、比較的新しいインタビュー番組です。
ゲストのオバマ前大統領が、娘さんが大学進学を機に家を出ることになり、引っ越しの手伝いをした、というエピソードについて、
オバマ氏は娘を送り出す気持ちでセンチメンタルになってしまい、まったくの役立たずだった、というほのぼのとするエピソードを披露します。
4つしか部品のない、通常であれば3分とかからないような簡単なランプの組み立てに30分もかかってしまった、ということを話すオバマ氏に対して、レターマン氏は、
It took you (少し間)a half hour (少し間)to assemble (少し間)a four-part lamp.
最後は一単語ずつ区切るように a four / part / lamp と言います。
(中略)
おもしろい話をした相手の言ったことを、簡潔に、ゆっくりと繰り返すことで、相手のおもしろい話を一層おもしろくする話し方です。
これを読んで、単純に、「へぇ!」「おもしろいな!」という新鮮な驚きがありました。こういう楽しみ方があるんだ、と知るのも、本を読んでよかったことの一つです。
プロが学び続ける姿勢
現在は、アメリカのシリコンバレーを拠点に、通訳やコンサルティングなど幅広い活動をされている関谷さん。そんな関谷さんが今でも英語力を磨くために日々努力を重ねている、ということが随所から伝わってきます。
英語のプロであり、英語圏で暮らす今でさえも、自ら学ぶ環境を作り出している姿勢に触れられるのが、本書の最大の魅力かもしれません。
あとがきにもこう書かれています。
わたし自身、同時通訳者としても、事業や経営に関わるビジネスパーソンとしても、スキルも英語力も発展途上です。ビジネススキルも、英語のスキルも、一度学べばおわり、ということはなく、それぞれの進化に合わせてこちらも随時アップデートしていかなければならないと感じています。
学び方をアップデートしていこう
時代の変化、自分が置かれている環境の変化、上達に合わせて、英語の学び方もどんどんアップデートしていくことが必要なんだ、と実感しました。
最近英語に行き詰まりを感じている…という方。本書からアップデートのヒントを得てみても、良いかもしれません。